イヤホンで耳が痛い、かゆい…気づいた時にはもう手遅れ

あなたの耳は大丈夫？　新型コロナウイルス禍でオンライン会議が増えたり、動画配信サービスが普及したりして、必需品となっている人も多いイヤホン。ただ「耳を酷使しすぎてはいけない」と専門家。適切に使わなければ、難聴などになるリスクがあり、耳に優しい生活を心掛けることが大事だ。

　家電量販店の売り場には、従来の耳の穴に入れるタイプや、骨を通して直接、聴覚器官に音を伝える骨伝導型などさまざまなタイプのイヤホンが並ぶ。福井大学医学部耳鼻咽喉科・頭頸部外科学の岡本昌之講師（46）は、イヤホンによる耳のトラブルの主なものに「音響性難聴」「外耳炎」の二つを挙げる。

音響性難聴は、進行すると高い周波数の音ほど聞こえにくくなる。高い周波数は母音よりも子音の判別に必要となるため、言葉の聞き間違いが多くなる。音は、空気の振動を内耳の蝸牛（かぎゅう）にある「有毛細胞」で電気信号に変換されて脳に伝わり認識される。大きな音を長時間聞き続けると、有毛細胞が傷つき聴力が低下していく。岡本講師によると、初期には難聴を自覚しにくいが、進行して傷ついた有毛細胞は再生することはなく、低下した聴力を元に戻すことは難しい。「耳に負担をかけ続けると若い人でも難聴を生じるし、耳の老化を早めることになる」と警鐘を鳴らす。

https://www.fukuishimbun.co.jp/articles/-/1540769