【企業】サムスン、4～6月の半導体赤字4800億円　メモリー不振

【ソウル=細川幸太郎】韓国サムスン電子が27日発表した2023年4～6月期の事業別業績で、半導体部門の営業損益は4兆3600億ウォン（約4800億円）の赤字（前年同期は9兆9800億ウォンの黒字）だった。同部門の赤字は2四半期連続。大手全社の減産にもかかわらず、半導体メモリーの在庫解消に時間がかかっている。

半導体部門の売上高は前年同期比48%減の14兆7300億ウォンだった。そのうち半導体メモリーの売上高は同57%減の8兆9700億ウォンと落ち込んだ。受託生産（ファウンドリー）などの「その他半導体」の売上高は22%減の5兆7600億ウォンだった。

パソコンやスマートフォンの世界的な販売低迷によって昨秋以降に半導体メモリーの在庫が積み上がった。サムスンと韓国SKハイニックス、米マイクロン・テクノロジー、日本のキオクシアホールディングスも含めた大手全社が異例の減産に踏み切るものの、販売価格の反転は見えない。

サムスンの半導体売上高を前四半期と比べると7%増え、営業赤字は2200億ウォン改善した。ただ各社とも巨額赤字が続いており、市況は底ばい状態となっている。

半導体と並ぶ主力のスマートフォン部門は、売上高が前年同期比13%減の25兆5500億ウォン、営業利益は16%増の3兆400億ウォンだった。

家電の営業利益は2.1倍の7400億ウォン、ディスプレーは21%減の8400億ウォンだった。半導体部門の巨額赤字を他部門の黒字で埋める構図で、全社の営業利益は前年同期比95%減の6700億ウォンと辛うじて黒字を確保した。
2023年7月27日 10:36
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM270CY0X20C23A7000000/