通勤電車内でＯＬのスマホ覗いて何見ているか観察する部　📱👀

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「指導」とお尻を触るコーチ　スポーツの現場での性暴力

「指導者という立場を悪用し、保護者らの信頼に乗じて幼い被害者らを意のままにした犯行は卑劣極まりない」
2020年1月、九州地方の武道教室で教え子にわいせつな行為をした60代の男に、懲役7年の判決が言い渡された。
男は、「指導」と称して当時5～9歳の女児3人を1人ずつ控室に連れ込んで体を触るなどし、その様子をスマートフォンで撮影していた。
「被告は私たちに時限爆弾を残していった」
子どもたちの心身とその後の人生を脅かす性暴力について考える企画「子どもへの性暴力」第4部は、地位・関係性を利用した性暴力について取り上げます。
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裁判で被害女児の両親はこう語った。「娘が成長して、されたことの意味を知ったとき、家族としてどう向き合えばいいのか」
スポーツの世界で、指導者の教え子への性暴力は後を絶たない。
今年3月には、滋賀県で運動教室の指導者をしている60代の男が、通っていた小学校低学年の女児を連れ出し、キスをするなどしたとして強制わいせつの疑いで逮捕された。
部活動の女子中学生十数人にマッサージと称して服を脱がせ、胸をさわるなどの行為を繰り返した顧問の男性教師が免職になったこともあった。
西日本に住む20代の女性は小学校の時に通っていたスイミングスクールで、男性コーチにお尻を触られたことがある。《指導なのだろうか》。戸惑う気持ちに自分でも気づかないふりをした。
「お尻が大きくなってきた」とあざ笑われたこともあった。その後、人との距離がうまくつかめず、次第に成長していく自分の体が憎く、拒食症にもなった。
触られたとき、それが優しさの手か、怖い手かわからなかった。「指導かどうかの線引きが難しく、『コーチ』におかしいとかいやとかは言いにくい」と振り返る。
「指導者と選手の間、圧倒的な権力差」
日本スポーツ協会の2019年の調査では、スポーツの現場で、セクシュアルハラスメントを見聞きしたという指導者は約3割に上る。見聞きした指導対象を年齢別でみると、未成年が3割を上回り、成人（大学生年代を除く）よりも多かった。
調査は19年9～10月、同協会に登録された指導者2万8547人を対象に過去5年間に見聞きしたかをオンラインで聞き、2611人（9・2%）が回答した。セクハラの背景についての質問への回答では「指導者の人間性・人格」が90%と高く、「被害を訴えにくい関係や環境」（72%）、「結果主義・勝利至上主義」（45%）が続いた。
日本オリンピック委員会（JOC）が13年に実施した調査では、トップ選手の11・5%が暴力を含むパワーハラスメント、セクハラを受けたことがあると答えた。自由記述では「信頼関係さえあれば問題ない」とする選手も少なくなかったという。
スポーツジェンダー論に詳しい明治大の高峰修教授は「指導者と選手の間には圧倒的な権力差がある。大会への出場など決定権を持つ指導者に選手は受け身になりがちで、セクハラをされても言い出しにくい」と指摘する。
また、合宿や遠征など共有する時間が長いうえ、指導などで身体的接触が多いこともセクハラが起きる一因という。「被害に気づかぬ間に時間をかけて距離を詰められていることもある」
一方で、セクハラに対する取り組みは遅れているという。「多くの競技団体でセクハラは禁止事項になっているが、丁寧なガイドラインなど防止対策があるわけではない。セクハラは起きるという前提に立ち、相談窓口を増やすべきだ」と話す。
米国では17年、体操代表チームのスポーツ医による選手への性的虐待が判明したのを機に、独立機関「米国セーフスポーツ・センター」が設立された。スポーツをする子どもの虐待相談の調査などにあたっている。国際人権団体「ヒューマン・ライツ・ウォッチ（HRW）」は、国内の対応は競技団体ごとにばらばらで統一基準がないことを問題視し、独立行政機関「日本セーフスポーツ・センター」（仮称）の設置を提言している。
スポーツ界の性暴力に詳しい山田ゆかり・津田塾大非常勤講師は「子どもも試合に出て家族が喜ぶと思えば、指導者のわいせつ行為を我慢する。スポーツ界のセクハラは損得が絡み特殊だ」と話す。
スポーツ現場では、セクハラが『かわいがり』や『愛情』だとみられることもあるという。保護者の多くが指導者に信頼を寄せている場合、被害を訴えた児童や親が孤立するという事例も見てきた。
あるスポーツ少年団で、小学生の女児が親に「コーチにお尻を触られるのでやめたい」と訴えたところ、親に「やめたいからそんなこと言っているんでしょ」と言われた事例を聞いたこともあるという。