メタバース、入場料22万6800円

【シリコンバレー=奥平和行】米メタは11日、仮想現実（VR）端末の新製品「Meta Quest Pro」を25日に発売すると発表した。米国での最低価格は1499ドル（約21万9000円）に設定し、日本では22万6800円とした。利用者の表情などを捉えるカメラを利用してアバター（分身）の表情を豊かにするほか、新型レンズの採用によりディスプレーを薄くした。

11日に開発者会議「Meta Connect 2022」をオンラインで開き、マーク・ザッカーバーグ最高経営責任者（CEO）らが発表した。ザッカーバーグ氏は新製品について、「仕事での利用や優れた体験を求める利用者を想定した上位機種」と説明した。20年に発売した「Quest 2」（最低価格は399.99ドル、日本は5万9400円）の販売も継続する。

同日に予約の受け付けを始めたProは内蔵カメラで表情や目の動きを捉え、アバターの動きに反映させることで表現力を高める。光を繰り返し屈折させる「パンケーキレンズ」を利用することにより、ディスプレーをQuest 2より40%薄くした。また、電池の位置をディスプレー内から後頭部のベルト内に移し、装着時の負担を軽くした。

外部を捉えるカメラも改良し、コンピューターで合成した画像や文字と実際の風景を重ねて表示する際に、景色を従来の白黒ではなくカラー表示できるようにする。半導体は米クアルコムの「Snapdragon XR2 Plus」を採用し、処理能力を従来よりも50%引き上げた。

VR端末はゲームなどの用途から普及が始まっているが、ザッカーバーグ氏は上位機種のProを追加することで会議など仕事での利用を増やしたい考えを示した。開発者会議には米マイクロソフトのサティア・ナデラCEOも登壇し、マイクロソフトの「Teams」で開いたビデオ会議にメタのVRサービスから参加できるようにすることなどを説明した。

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN11DKS0R11C22A0000000/